仮想通貨の一つであるビットコインが、今後日本にて益々普及すると予測される。
2月末に金融庁が発表した法規制案により、ビットコインが貨幣機能を有すると認めたからだ。
今回の案によるとこれまで貴金属など同様「モノ」と分類されていたビットコインが、「貨幣」に分類されるとのこと。そのため法定通貨との交換や、物やサービスを受け取る際の決済手段としてのビットコインの利用が国に認定されたと言える。2014年に起きた都内のビットコイン交換所「Mt.Gox(マウントゴックス)」の全取引停止、元CEOが逮捕されるなど仮想通貨の利用に不安を感じる声もあったが、今回の発表により利用が促進されるとみられる。
現在、世界では500種類以上の仮想通貨が存在するが、最も利用されているものの一つがビットコインである。
株式市場においてもビットコイン関連銘柄に対する注目が高まっている。
主なものとしてはFX関連サービスを展開し、東証1部上場のマネーパートナーズグループが挙げられる。2015年の7月から大手ビットコイン取引所「Kraken」を提供するアメリカ合衆国のペイワードとの業務提携を行うことを発表した。また2016年1月からは自社サイトにてビットコインの参考レートを掲載している。
また「セレス」や「モッピー」などのポイントサイトを提供しているセレス(マザーズ上場)は投資先であるレジュプレスの運営するcoincheckがDMM.comと提携するなど利用者を増やしている。
変化する銀行の立ち位置
日本国内で行われる決済には銀行を経由する必要があるが、海外では銀行を必要としないビットコインなどの仮想通貨の利用も増えている。例として挙げられるのは、新興国における送金手段だ。新興国の中でも貧困層に位置する人々は銀行口座を持てない、また銀行が存在しないエリアに居住している人も多い。仮想通貨の利点としてインターネット環境さえ備わっていれば安価に送受金が行えるため、このような人々には利便性が高いと言える。そのため自国外にて働き、家族へ送金する際にビットコインを利用するといった使い方は今後増加する可能性もある。
日本でも金融庁の発表や取扱箇所の増加に伴い、銀行の決済を必要としない仮想通貨の利用が促進される見通しである。仮想通貨の普及は銀行や法定通貨の在り方を変化させていく可能性も孕んでいると言える。
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