3月22日、ドイツで2位の預金高を誇るメガバンク、コメルツ銀行がビットコインとブロックチェーンに対する意見を発表した。
今回の発表ではビットコインを貨幣としての機能から、ブロックチェーンに対しては情報セキュリティ技術としての評価を発表した。
レポートではブロックチェーンに対しては革新的な技術であると評価する一方で、ビットコインに関しては長期的な視点で見ると課題が多く、今後の安定した利用が継続されるかは疑問が残るとした。
今回のレポートで株式アナリストのピーター・ディクソンは「ブロックチェーンについてはシステムとして革命的な技術だ。今までの決済システムが持つ多くの問題点を解決する可能性がある」とした。
ブロックチェーンが持つ可能性の例として、リーマン・ブラザーズの破綻事件を挙げた。特定の金融機関へ多くの債務が発生した際、発生するリスクとそれに付随して起こる他金融機関を含めた流動性リスクをブロックチェーンは解決できると語った。
◇ビットコインが無くなるとしてもブロックチェーンは金融システムの基盤となる
しかし、その一方でビットコインの貨幣としての可能性には疑問を抱いている。ビットコインにはブロックチェーンが利用されているため、従来の決済システムの欠点を狙う金融詐欺は防止できるが、それがビットコインの今以上の普及へ繋がる訳ではないと述べた。現状の法定通貨と比較すると、ビットコインの持つ課題が明確になる。
「ビットコインが現在の法定通貨を超える普及をするにはいくつか課題がある。1つは価格が変動しやすいことから、貯蓄の対象としての信頼性が欠けている点だ。そして2つ目は、ビットコインのウォレットに対して何らかの問題が発生しアクセス不能になった時、その保証をする組織がない通貨は利用されない」
このようにディクソンはビットコインの可能性については、あまり楽観視はしていないようだ。
だがその一方でブロックチェーンが持つ対改ざん性、情報セキュリティ性能の高さを革命的であると評価。
ビットコインが利用されなくなったとしても、ブロックチェーンは将来の金融システムの中核としてその存在感を増すとした。
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