Microsoftのブロックチェーン導入進む

世界各社でブロックチェーンを自社サービスに導入するための取り組みが進んでいるが、マイクロソフトが2月から共同実験を開始していると伝えた。今回の実験にはみずほフィナンシャルグループ、電通国際情報サービス(ISID)、カレンシーポートとマイクロソフトの4社が関わっている。

金融機関用システムに関する知見が豊富なISIDと、ブロックチェーン技術を専門とするカレンシーポートがマイクロソフトのクラウド上で機能するシステムの実証を行うとのこと。実験の軸としてはスマートコントラクトを利用したシンジケートローン実施時の業務効率化を目指すという。

シンジケートローンとは複数の金融機関が特定の融資先に対し同一の条件で融資を行う資金調達法で、通常の融資より関係者が増えるため必要な事務手続きも多い。そのため今回の実証が進めばスマートコントラクトを活かし業務を自動化できるため、効率化が望める。

今回名前が挙がったカレンシーポートはスマートフォン向けアプリに決済機能を組込み可能なAPIなどを提供するFinTchスタートアップ。ブロックチェーンやスマートコントラクトの、金融サービスへの利用研究を進めている。

 

news_20160314_002_02

◇マイクロソフトのクラウド+ブロックチェーンへの取組み

IBMなども自社クラウドサービスへのブロックチェーン技術導入のための研究を進めているが、マイクロソフトも以前から自社クラウドサービスAzureへのブロックチェーン利用を進めている。

早い段階からAzure Blockchain as a Service(BaaS)と名付けブロックチェーンとクラウドの融合を進めており、2015年11月には米国のスタートアップ、ConsenSysと協働でEthereum Blockchain as a Service(EBaaS)を公表した。

そしてすでにC++ Ethereumクライアントの試用を開始し、AzureにてEthereumを利用可能になるよう開発を進めているとこと。さらにマイクロソフトのブロックチェーンに対する取組みはEthereumだけではなく、ブロックチェーン決済システムを提供するRippleとも提携を行っており、既にUBSやCredit Suisseを始めとする10以上の銀行の間で認証実験を済ませている。

マイクロソフトは今後もクラウドとブロックチェーンの融合を推進し、限られた企業のみが利用できるのではなく、より広い団体に向けてブロックチェーンを利用可能にするとしている。ブロックチェーンが人々の身近な物になる日も近づいていると言える。

 

Pocket
LINEで送る

Be the first to comment

Leave a Reply

Your email address will not be published.


*