The DAO不正送金事件後の対応を探る議論 -フォークの必要性-

先日発生したThe DAOの不正送金事件後の対応をめぐり、様々な議論が起きている。

イーサリアムのコミュニティでは創業者のひとりVitalik Buterinが不正送金者の資産を凍結するソフトフォークと不正送金を取り消すハードフォークを提案。

ソフトフォークにかかるコストは少なく開発者はこれを支持、すでにフォークを実行する日時が決まっているなど話も出ている。

そしてまた新たな有識者の意見が公表された。

2015年1月にアメリカ合衆国政府の承認を得て営業を開始、実質的に世界初の政府公認の仮想通貨取引所Coinbaseの創業者のひとりFred Ehrsam氏もThe DAO不正送金事件に対し意見を明らかにした。

Fred氏はThe DAOの不正送金事件に対して、イーサリアム開発者たちがコードに手を加えることを快く捉えてはいないようだ。

Coinbase自身はイーサリアムのブロックチェーンプラットフォームとその基軸通貨であるETHをサポートしている。

Fred氏はイーサリアムのブロックチェーンプラットフォーム自体がまだ発展を必要とする段階に位置しており、今回の不正送金事件をポジティブに捉えて現実的な成長のための糧とすべきと考えている。

そして今回の不正送金に対するイーサリアムの介入に対して「今後も脆弱性を有するスマートコントラクトがリリースされる可能性はあり、その度にフォークを行うことは現実的ではない。それらを見越した学びを得るべきだ」とした。

そして「Tha DAOの不正送金事件は、絶対的に安全なスマートコントラクトを提供するのは困難であるが、それでもイーサリアムのプラットフォーム開発チームと、生まれるスマートコントラクトの市場価値は高い」と続けた。

コミュニティのメンバー間でもハードフォークのように非中央集権でないはずのシステムに、開発者が手を加えることに抵抗を感じるものは多い。

現在のイーサリアムのブロックチェーンプラットフォームをひとつの完成形と捉えるか、未だ成長段階にあり完成に向かう過渡期であるかと捉えるかによっても意見が分かれそうだ。

 

 

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