先日、Counterparty(カウンターパーティ)がイーサリアムのスマートコントラクト機能を備えたシステムをテストネットへリリースすることが明らかになった。
テストネットへのリリース後、メインネットへは今年の秋頃のリリースを予定している。
実現すればイーサリアムの特徴であるスマートコントラクト機能をビットコインブロックチェーン上にて実現可能だ。
Counterpartyはビットコインのブロックチェーン内に構築されている、分散型の特徴を持つ金融プラットフォームでユーザーが独自トークンを発行が可能、また分散型取引所の機能を備えている。
2014年1月に2,125.63BTCを用いたProof of Burnを経て生まれ、当時の時価総額は約180万ドルに達した。
(Proof of Burnとは特定のアドレスにビットコインを送金することで、量に応じた仮想通貨(Counterpartyでは)XCPが配布される。Proof of Burnにて集まったビットコインは事実上破棄されるが、仮想通貨発行時の分配を公正に行うことを目的に行った。またビットコインは発行総量が決まっているためProof of Burn後、残りのビットコインの価値はわずかだが上がると言える。)
Counterparty上でスマートコントラクトを実行できる「EVMparty」と呼ばれるシステムの開発が進んでいるとのこと。
EVM(Ethereum Virtual Machine)partyはイーサリアムを基にして開発され、既にイーサリアムから移したスマートコントラクトは機能することが確認できている。
しかしまだバグが存在しないかを精査、テストを行っており、先日起こったThe DAOの事件を新たな情報がアナウンスされた。
それは「EVMparty上で機能するスマートコントラクトにてバグなどの不具合が発生、発見された場合、Counterpartyの開発メンバーはコード修正などを行いません。それは特定の取引などに対してロールバックを行う、ネットワークに対してフォークを行わないということです(ただし、スマートコントラクトではなくEVMpartyに発見されたバグなどが元となった事態に対してはCounterpartyが対処します)」
◇変化するCounterpartyの立ち位置と新たなスマートコントラクトへの期待
またバグのあったスマートコントラクト以外のシステムが問題なく作動しているケースでは、Counterparty保有者がEVMpartyサブシステムをストップすることが可能となる。
EVMpartyにてスマートコントラクトが実装可能となることでCounterpartyは新たなライバルを生むことになる。まだリリースはされていないがRootstockもスマートコントラクトと同様の機能が利用可能。RootstockはCounterpartyとは別のアプローチを行っており、こちらはサイドチェーンと呼ばれている。
またCounterpartyがビットコインのブロックチェーン上に構築されていることで、ビットコインの持つ特性が反映される。ビットコインの特性とは取引の認証に10分ほどの時間を要することや、手数料の値上がり、スケーラビリティが挙げられる。
イーサリアムと比較しCounterpartyユーザーのメリットとなりうるのは、スマートコントラクトにバグが発見され重大なトラブルとなった際、Counterpartyがコード編集などの介入を行わない、と明言していることだろうか。
それがメリットとなりうるのも、Counterparty保有者がEMVpartyやスマートコントラクトを停止させる力を得たからだが、これはかなり大胆な決断と言えそうだ。
スマートコントラクト停止のために必要なプロセスなど今後も議論を呼ぶ余地があり、注目を集めるかもしれない。
今回のThe DAO事件以上に致命的なトラブルが生まれた場合、果たしてユーザーはCounterparty運営チームの介入を本当に望むことはないのか。
そしてこの強制的に機能を停止させる権利は、今後リリースされるであろうRootstockに対する武器となりうるのか。
世界中のメガバンクやIT企業を巻き込み加速し続けるブロックチェーン業界において、スマートコントラクトというブームを生んだイーサリアムの影響は大きく、また新たな可能性に繋がるようだ。
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