DAOが2週間で1億3000万ドルの資金調達に成功 -過去最高額、更新中-

 

現在、クラウドファンディングの歴史が塗り替えられている。

過去のクラウドファンディングによる資金調達額第1位のPCゲーム、Star Citizenは1億ドルを調達するのに3年を要したが、今回は17日間で1億ドルを突破し、なお記録を更新し続けている。

そのプロジェクトの名は「DAO」でスマートコントラクトプロジェクトのひとつ、slock.itのメンバーが開発に関わっている。

(開発メンバーはクラウドファンディングではなく“クリエイション”と呼んでいる)

事前の予測を大きく上回る1万以上のイーサがDAOプロジェクトに集まり、10億を超えるDAOトークンが生まれた。

DAOはマシン・ツー・マシンの形をとる決済として21incのビットコインコンピューターに似たビジョンをイーサリアムのワールドコンピュータにて描き、UberやeBayに代表されるシェアリングエコノミーの実現へ向かう。

Slock.itのGriff Green氏は、自身もDAOが2週間で1億ドル以上もの資金を獲得したことに驚いており、このような規模の出来事になることは予測していなかったと述べた。

 

◇DAOにより拡張するイーサリアムのスマートコントラクト

DAOはイーサリアムが提供するスマートコントラクトを用いて、既存のものよりも高い透明性を保つビジネスモデルを創出する、初の分散型組織となる。

例としてまずDAOのファンドは、DAOのスマートコントラクトアドレスに登録されたユーザー全員が閲覧可能となっている点だ。

そして何よりDAOのスマートコントラクトアドレス自身の所有が一個人のものではないことだ。DAOのアドレスは数字と記号のランダムな羅列によって形成されており、アドレス自体が“実際に”ファンドを持っており一個人が資金を不正に入手することが不可能になっている、とDAOメンバーのスタンフォード大学SEのMo Balaa氏は語った。

DAOのアドレスの意思決定は、スマートコントラクトコードによって運用されており、必要なメンバー数の承認を得ることで決定される。

提出されたプロポーザルがメンバーからの承認を得ると、アドレスから資金が自動で送金される。DAO初となるプロポーザルは5月28日のクラウドセール終了後にSlock.itから提出される予定だ。

◇DAOが世界最新であるが故に孕むリスク

Griff Green氏は決してDAOの未来を楽観視してはいない。

DAO自体は過去に前例が存在せず、十分なテストを経ず生まれたサービスであるとしてリスクを孕んでいることも述べている。

DAOの仕組みから、DAOトークンホルダーがどの程度能動的に運営に関わるのか、いくつのプロポーザルが提出され何人が投票に参加するか。

そして群衆の叡智は果たして少数の専門家達の決定よりも優れたものとなるのか、課題は山積している。

しかしDAOが順調に運営されることで、ベンチャーキャピタルが行うような投資へ広く一般の人々も参加可能となる。

組織のファイナンスへに対する意思決定に大衆の意思が直接的に反映され、テクノロジーのイノベーションやビジネスの創出に新たな価値が生まれるかもしれない。

 

【関連ニュース】

 

Pocket
LINEで送る

3 Trackbacks & Pingbacks

  1. The DAOが65億円相当のハッキング被害、分散型組織の課題とは – 仮想通貨通信
  2. スマートコントラクト(smart contract)とは – 仮想通貨通信
  3. イーサリアム (Ethereum) とは – 仮想通貨通信

Leave a Reply

Your email address will not be published.


*