本日テックビューロ社が提供するブロックチェーンプラットフォーム「mijin」がポイントシステムに対する適用実験に成功したことが明らかになった。
先日伝えたmijinの銀行における勘定システムに対する適用実験成功に続き、eコマース分野での適用も実証された。
実証実験の内容としてはロックオン社の提供するEC構築オープンソース「EC-CUBE」にてポイント管理部分をmijinプラグインとして動作検証を行った。その実験結果として、高負荷環境下での有用性や複数のECシステムからの情報更新を安全、リアルタイムに行うことができたとのこと。
テックビューロ社は今後の実験報告を2016年6月末に予定しており、受注・会員管理への利用拡張を目指して開発と検証を行うとしている。
◇mijinブロックチェーンテクノロジーのECへの応用可能性を示す
今回テックビューロがmijinのECサイトへの応用可能性の1つとして評価したのは、ブロックチェーンテクノロジーの持つ特徴の1つであるゼロダウンタイムだ。
ECサイトサービスの利用が拡大するとともに課題として挙がるのが、短時間への受注集中によるサービス停止や、サイト自体がダウンすることだ。システムが停止することでサービスの機会損失を招く事態も、利用が拡大する上で起こりうる。
ブロックチェーン以前のシステム構成では、受注ピーク時である数秒間に数十件のオーダーを処理するために多大なコストをかけることも多く、効率的とは言えなかった。
課題解決のためにはデータベース機器の増強を行うことで処理能力を上げるしかなかったが、mijinを利用することで運用コストの削減が想定されるとテックビューロは伝えている。
今回はポイント管理部分での有用性を実証するための実験だったが、今後ECサイトでの受注や会員情報の管理においても実証実験を進める予定だ。
◇mijinはオムニチャネルのECインフラ基盤を目指す
また今回実証された内容の1つに、複数のECシステムからの情報更新をリアルタイムに行えたとの結果があった。
これはテックビューロ社では近年増加しているリアル店舗とEC店舗のオムニチャネル対応を重要視しているためだ。
通常、複数のリアル店舗とECサイト間での受注、商品、顧客、ポイント、在庫などに関する情報をそれぞれのシステムと相互に連携するためには数分のタイムラグが発生していた。在庫やポイント情報などリアルタイム性を要求されるものについては、更新情報の遅延が問題となる。
そこで今回の実験により複数のシステム間でのポイント情報の共有がリアルタイムに行えたことが、複数店舗間での情報共有に役立つとテックビューロ社は見ている。
また、mijinブロックチェーンシステムではブロックチェーン技術の特徴である、高い内部データの対改ざん性能、二重払いの防止機能を備えているため、従来のデータベースやアプリケーションよりも高いセキュリティ性能を実現するとした。
国内へのブロックチェーン技術普及の一歩となるか。今後の発表が待たれる。
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