ビットコインの公式ウォレットである、ビットコインコアの元開発者マイク・ハーンがビットコインの抱える問題について語った。
マイク・ハーンは現状のイーサリアムなどアルトコインの市場価格上昇、ビットコインの成長鈍化の理由として「ビットコインのブロックサイズが増加されないため」であるとした。
マイク・ハーンは以前にビットコインの開発から離れる趣旨の発言をし、その理由を「ビットコインが抱えるスケーラビリティ課題の解決方法であるブロックサイズの拡大に取り組んできたが、それは不成功に終わった」とした。
合わせて「根本的な課題課題解決がなされないため、将来ビットコインの価格は下落する。私が手持ちのビットコインは全て売払ったし、今後ビットコインの開発に携わる意志はない」と発言し、時を同じくしビットコイン価格は下降した。
マイク・ハーンは現在R3にてリードプラットフォームエンジニアを務めており、世界の大手銀行42社が金融システム用プライベートブロックチェーン開発を目指すコンソーシアムへ加わっている。
◇ビットコインには、尊重されるべきリーダーが必要
先日「Hacker News」にて行われた「アルトコインの時価総額が急成長していることと、ビットコインのライバルとしてのイーサリアムの台頭」に関する議論にハーンは参加した。
その中でハーンは「ビットコインのブロックサイズ拡大に対して、グレゴリー・マックスウェルが反対したこと」を理由として答えた。
参加者の1人が、仮想通貨の成長鈍化となる原因には「適切な意思決定を行える、リーダー」が不在であるとした。そのためブロックサイズ問題など、仮想通貨ユーザーの関心の高い問題について判断すべき場面で解決がなされないのは自然なことだと述べた。それが現在のイーサリアムなどアルトコインの台頭の原因になったと。
それに対するハーンは回答として以下のように述べた。
「リーダーの不在はビットコインが抱える課題ではない。重要なのは、Blockstreamのグレゴリー・マックスウェルがビットコインのリーダーであることだ。彼がリーダーであり、Blockstreamがブロックサイズ拡大を拒んだことがビットコインの課題だ」
Blockstreamとはビットコイン開発者が創業したスタートアップであり、グレゴリー・マックスウェルはBlockstreamの共同設立者であり、CTOだ。
サイドチェーンを開発用サービスElementsや、ビットコイン送付の高速化サービスLiquidを取引所や決済サービス企業向けにリリースしている。
ハーンによればブロックサイズの議論については既に結論が出ている。
そしてその過程は議論よりも過激な方法で、例えばブロックサイズの増加を行えば多くの開発者が辞職すると表明するよう仕向けるなどといったプロセスを経て、小さなブロックサイズを主張していた者の意見が採用されたとのこと。
ブロックサイズやスケーラビリティに関する遅延などの課題は他のアルトコインでも今後触れられる話題だろうが、先に直面したのがビットコインだったようだ。
イーサリアムなどの台頭もあるが、現状ではビットコインとサイドチェーンを利用したシステムが拡張性とセキュリティの両面に優れるとする見方もある。
ビットコインもまだまだ発展の余地がありそうだ。
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