ブロックチェーンの影響力が医療業界へも及び始めている。オランダ、アムステルダムに本社を置く電気機器企業フィリップスがブロックチェーン・ヘルスケア・ラボを設置した。またブロックチェーンを用いたカルテを同じくヨーロッパ、エストニアのスタートアップが作成するなど医療業界へも大きな変化がありそうだ。エストニアは政府主導でブロックチェーン技術の発展を促すなど取り組みが本格化している。
◇健康分野でのブロックチェーン利用を研究
今回設置されたラボの目的は情報産業と医療分野のプロフェッショナルが互いの知見を活かし、ブロックチェーン技術の応用可能性を探ることだ。技術面についてはブロックチェーン上のデータからレシートを作成するサービスを手掛けるスタートアップ、Tierionが担当。以前より共同プロジェクトを行っていたが、今回の発表から本格化する見込みとなる。
◇個人の公的情報に関するセキュリティとデータへの即時アクセスを両立
また以前から健康情報の電子化についての懸念であった情報セキュリティへの問題へもアプローチが進んでいる。現在ガードタイム、e-ヘルス・ファウンデーションが共同でブロックチェーンを用いた医療分野の情報セキュリティシステムの実現へ向かっている。世界に先駆けエストニア政府は1997年にIT技術の取り入れを公表し、IDカードを所持する国民は1000を超える公的な手続きをスピーディに行うことができる。
その中に医療系の個人情報も含まれており、データへの不正アクセス防止が課題として浮上していた。
今回の取り組みではガードタイムが得意とするブロックチェーンを利用したセキュリティシステムを導入することで不正アクセスに対処するとしている。
今後ブロックチェーンの長所である高いセキュリティ性が金融だけでなく、医療など様々な分野で応用が進むと予測される。
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