ブロックチェーン(blockchain)とは

◇ブロックチェーンとは

分散型台帳システムと訳される。匿名のサトシ・ナカモト名で発表された論文内でビットコインとともに提唱されたデータ履歴の保存技術。ビットコインの登場とともに注目を浴び、データの改ざんが非常に困難な履歴の作成が可能なことで知られる。ビットコインを始めイーサリアム、リップルなど仮想通貨(暗号通貨)の基礎技術である。

現在様々な団体、企業により研究開発が進んでおり仮想通貨としての利用だけではなく銀行など金融機関の送金システム、証券取引用システム、IoT、企業のバックオフィス業務の効率化などでの利用可能性が期待されている。

金融システムへの活発な導入が進んでいるため、金融とIT技術の融合であるFinTechにおいても最も期待されている技術の1つである。

 

 ◇ブロックチェーンの特徴

近年注目を集める理由としてブロックチェーンには以下の特徴が挙げられる。

  1. ブロックチェーンよって記録されたデータの改ざんが非常に困難であること
  2. システムの運用に必要な人的、電力コストが従来と比較し非常に安価に済むこと
  3. システムを利用不能にすることが非常に困難であること

1のデータ改ざんが非常に困難であるのは、ブロックチェーンという名の由来であるデータの保存形式が理由となる。1の理由説明と合わせ、ブロックチェーンの仕組みについて解説する。

例としてビットコインのブロックチェーン上ではP2P技術により一つのデータ移動、またはデータの取引に関する履歴が対象の端末間だけではなく、同一ブロックチェーンのネットワークを利用するすべての端末間で共有し保存される。

そして10分を1区切りとし、その間の取引が正しいかの認証が行われる。この10分の間に記録された取引のデータを1つの単位として「ブロック」と呼ぶ。認証され取引の正当性が確認されたブロックはタイムスタンプを施され、正しい履歴としてネットワーク全体に保存される。取引が繰り返され、時間が経過することで複数のブロックが形成され、それらが時系列に「鎖(チェーン)」のように連なっていくことからブロックチェーンと呼ばれる。

この記録されたデータの中に信憑性に疑いのあるデータが入り込んだ際、ブロックチェーンシステムは記録された履歴を遡り整合性のあるデータを選択し、記録する。その際、取引の時系列整合性が長く繋がっているもの、つまり「長いチェーン」が優先して選択され、短いものは削除される。

ネットワーク全体の端末上に記録された履歴が参照されるため、「多数決」と表現されることもある。

そのためブロックチェーンシステム上に記録された取引の履歴を改ざんするためには、この多数決にて認められる必要があり、システムに参加する全端末の半数以上のデータを改ざんする必要がある。

このようなブロックチェーンの欠点を「51%攻撃」と呼ばれる。しかし、実際には膨大な数の端末の履歴を書き換える必要があり、現実的ではないとされている。

以上の構造からビットコインの送金には受け取りまでに10分の時間が必要だが、リップルは数秒で済むなど他の仮想通貨などでも改善される可能性はある。

 

◇ブロックチェーンはシステム運用に必要なコストが少ない

特徴2に挙げられるようにシステムの運用に必要な人的、電力コストが従来と比較し非常に安価に済むこともブロックチェーンの持つ特質である。

ブロックチェーンシステムは

従来の金融機関業務にて利用されるシステムは、取引の整合性を認証するために大規模なコンピュータ端末を設置しその運用のために多くの電力や運用のための人的コストを必要とした。

そのため海外への送金には数千円の手数料がかかることもあるが、ブロックチェーン技術を利用することで、管理専用の端末を用意する必要がない。

これはブロックチェーンシステムがP2P技術を用いているためネットワークに参加する端末全てにデータ履歴が分散され保存されているおり、特定の端末が取引の正当性を保証する必要がないためである。

そのため、ブロックチェーン技術は海外でもリップルシステムを銀行などが導入に好意的なのはそのためである。同様に株式などの証券取引システムへも導入が進んでいる。

 

◇システムを利用不能にすることが非常に困難であること

特徴3に挙げられるように、システムを利用不能にすることが非常に困難であることもブロックチェーンの特徴となる。これもブロックチェーンの特徴であるP2P技術により特定の管理端末を必要としないため、ある端末が機能不全に陥っても他の端末間で正常にシステムが機能するためである。そのためブロックチェーンシステムを機能停止にするためには、システムに参加するすべての端末の機能を止める必要がある。

この2、3の特徴を活用することで24時間稼働可能なネットワークシステムを安価に運営可能なため、スマートコントラクトを提供するイーサリアムは自らを「ワールドコンピュータ」と呼称している。

 

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