先日行われた第41回国際先物業界会議にてOverstock(オーバーストック)社がブロックチェーンプラットフォーム上にて株式を発行することを明らかにした。
今回利用するのはTØ.comの提供するブロックチェーンシステムで、ブロックチェーン技術を利用した株式の発行は世界でも初の例となる。
株式購入者は従来の方法と似た形式にてTØ.comのプラットフォーム上にて株式を購入することができ、その際発生する保有権利の移転などの情報はブロックチェーン技術によって記録される。
オーバーストック社とはアメリカ合衆国に拠点を置く小売をメインとしたECサイトを提供しており、オーバーストックの名の通り企業の余剰在庫品やアウトレット品の販売も行っている。
TØ.comとはオーバーストック社グループのFinTech企業、ブロックチェーン技術などを利用する電子証券取引所の名称。
その由来は従来のトレーディングに必要な3日という期間を暗号技術などを用いることで0にし、なおかつ情報セキュリティ性能を維持した状態で取引が可能となることを意味している。
◇ブロックチェーン証券の誕生、金融は生まれ変わるのか
今回のオーバーストック社のTØ.comでの株式発行によって今後の株式発行方法に影響は出るのか。
現在も利用されているウォール街の既存システムとは異なった、新たな選択肢が用意されたことは確かだ。
TØ.comのCEOであるPatrick Byrneはこう語った。
「今回のTØ.comプラットフォームを用いたオーバーストック社の株式発行は、証券の歴史に残るイベントです。将来、既存の中央に管理されたシステムとは違う、個々の分散台帳間にて取引が完結する証券システムが生まれます。以前から発表させて頂いていた通りブロックチェーンは、金融業界のシステムを根本から作り変える力を持っています。私達の企業は、ブロックチェーンがもたらす変化の最前線をリードします」
オーバーストック社は今回の株式公開について「資金の獲得を目的とする普段の株式発行とは違う目的で行う。ブロックチェーン技術の有用性を示すための、1つのプロジェクトである」としている。
本公開では2500万株程の全株式のうち、100万株をTØ.comプラットフォームにて発行する。
100万株と設定した理由については、株式取引内の流動性が保証される必要最低限数から算出したとのこと。
今後の金融業界、証券システムは新しく生まれたブロックチェーン技術からどのような影響を受けるのか。Byrnが語る通り金融システムは作り変えられるのだろうか。
今回の発表が1つの試金石となることは確かだ。
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