2016年4月に仮想通貨取引サービスを扱う「ShapeShift」がハッキング被害に遭ったことは、仮想通貨に関わるものに波紋を呼んだ。
そして今回の事件を受けShapeShiftのCEO、Erik Voorhees氏はハッキング被害については由々しき事態であるとしながらも、仮想通貨に対する規制のあり方について重要な示唆があったとした。
先日ビットコイン企業の集まるConsensus 2016にてパネリストとして参加したErik Voorhees氏は、ビットコインの規制へと話題が及ぶと現状の規制、特にニューヨークが行うBitLicenseについては改善すべき課題がいくつかあると述べた。
既存の規制をビットコインやイーサリアムなどに代表されるブロックチェーンサービスに適用することは、「丸い形の穴対して四角い杭を打つようなもの」であるとVoorhees氏は表現した。
そしてShapeShiftがBitLicenseを取得しなかったことが不幸中の幸いである趣旨の発言も行った。
Voorhees氏はブロックチェーンサービスに従来型の規制を行うことは、インターネットの黎明期においてブログを作成することにライセンスが必要になるようなものであると考えている。
◇ShapeshiftがBitLicenseを取得していなかったことが幸運な理由
ShapeShiftのハッキング被害を例にして、Voorhees氏はブロックチェーンサービスを規制するべきでないかを述べた。
「今回私たちがBitLicenseを取得していなかったことが、顧客の個人情報保護につながった。なぜならBitLicenseに従うならばそれぞれの顧客の個人情報を私たちの会社で保有する必要があったからだ。もし私たちが顧客情報を保有していた場合、それらも今回の事件でのハッキング被害の対象になっていたと考えられる」とのこと。
Voorhees氏はShapeShiftのハッキング被害について非常にオープンに情報を開示しており、報告書にまとめている。それらについてBitcoin.comのポッドキャストにて語っている。
今回BitLicenseに対してVoorhees氏は従うべきではないとの考えを示した。その理由として、取引所サービスなどが顧客情報を保有することのリスクを彼は述べている。
そしてShapeShiftは顧客に関しう情報を一切所持していなかったことが、今回の被害を抑える結果につながった。それが顧客の安全性を高めるとVoorhees氏は考えている。
最後に「ブロックチェーンサービスが顧客情報を所持しないこと、それこそが真の顧客保護につながる。そしてそれはブロックチェーンでなければできないことだ」として発言を終えた。
今回のShapeShiftハッキング被害は残念な事件であるが、Voorhees氏は今後のブロックチェーンサービスの扱いにおいて重要な示唆を示したのかもしれない。
先日はニューヨークから認可を受けて初のイーサを扱う取引所が誕生したばかりであるが、まだブロックチェーンサービスは黎明期であり多くの予期せぬイベントが起こるだろう。
今後もブロックチェーンサービスを取り巻く規制は人々の注目を集めそうだ。
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